自己株式の機動的な取得/会社法のポイント

武藤和義税理士事務所・武藤会計事務所/千葉県船橋市中小企業・個人事業主の経営を総合サポート

新会社法のポイント

新会社法とは    
有限会社の廃止
   特例有限会社
株式会社の機関設計
  株式譲渡制限会社とは
会計参与制度
役員報酬・役員賞与
相続人に対する売渡請求
自己株式の機動的取得
会社設立手続の簡素化
   最低資本金制度の撤廃
   類似商号規制の廃止
   払込金保管証明の廃止

自己株式の機動的な取得

これまで、株式が市場取引されていない会社が自社の株式を自ら取得する場合、あらかじめ必要事項を年一度の定時株式総会において決議しておくことが必要とされていたため、自己株式の機動的な取得を行う上での支障となっていました。

新会社法では、自己株式取得の決議が臨時株式総会でも可能となり、譲渡人を指定しない方法も新設されるなど、自己株式の取得方法が多様化されました。

つまり、自己株式の取得が「いつでも、何度でも、だれからでも」可能になったのです。

■あらかじめ指定した譲渡人からの自己株式の取得

この方法は、従来からの手続きとして残されたもので、あらかじめ会社に株式を譲渡する「譲渡人」を指定し、その譲渡人から直接株式を取得する「相対取引」です。

この場合は、株主総会の特別決議により、次の事項を定めて取締役(取締役会設置会社に於いては取締役会)に授権します。

1、取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)

2、株式と引換に交付する金銭等の内容と総額

3、株式を取得することが出来る期間

4、譲渡人となる株主

なお、この場合、譲渡人以外の株主は、自己を譲渡人に加えることも請求できます。

■譲渡人を指定しない方法による自己株式の取得

この方法は、会社法の施行により新しく新設された手続きで、あらかじめ譲渡人を指定せずに会社が自己株式を取得できる方法です。

この場合は、株主総会の普通決議により、次の事項を定めて取締役(取締役会設置会社に於いては取締役会)に授権します。

1、取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)

2、株式と引換に交付する金銭等の内容と総額

3、株式を取得することが出来る期間

授権決議後は、会社は取締役又は取締役会の決議を経て、全株主に対して1株当たりの取得価格などの買受条件を通知し、これに応じた株主から自己株式を取得する事が出来るようになります。

■財源規制に注意

自己株式の取得は、株主に金銭等を交付して行うため、新会社法では「剰余金の分配」として整理され、株主への配当と同様の財源規制が設けられています。

したがって、剰余金の分配可能額を超えて自己株式の取得を行うことはできませんので注意が必要です。

■自己株式取得のメリット

会社が自己株式を取得すると、次のようなメリットがあるといわれています。


1.事業承継者の相続税の納税資金が確保できる。

例えば、相続税を払えない事業承継相続人などから会社が自己株式を買い取ることによって、会社のお金を相続人に移転することができ、結果相続税の納税に充てることができる。

2.余剰資金の株主への還元ができる。

企業が発行している株式は数に限りがあるため、自己株式を取得することで流通する株式は減ります。それにより1株あたりの価値が上がり、株主への還元となる。


3.株式数が減少するため、1株当たり純利益・純資産などが増加する。

上記のような理由で、株式数を減少させることで株価の維持ができる。





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【参考文献】

よくわかる中小企業のための新会社法33問33答